1級計装士の実地試験の勉強法について書いていきます。今回は共通科目について書いていきます。
共通科目について
共通科目はある施設についてフロー図や動作説明が与えられ、下記を解答していく流れになります。
- フローチャート
- タイムチャート
- 論理回路図
- ラダー図
最後に安全管理の問題も出題されるのですが、これは独立した問題として出題されます。
時間を計って問題を解いた方がいいかも
1級計装士の実地試験は時間が足りなくなる事で有名です。
午前の選択科目は学習を進めるうちに時間に余裕が生まれてくると思います。
しかし、午後の共通科目は論理回路、ラダー図と難所だらけなので時間不足に陥りやすいと思われます。
講習会テキストの問題を解く際には実際の試験のように時間を計り、あらかじめペース配分を掴んでおくことをオススメします。
フローチャートとタイムチャートについて
フローチャートとタイムチャートの問題は実際に問題を解いてみて解説を確認し反復すれば、ほとんどの方が解けるようになるでしょう。
1級計装士のラスボスはこいつらではありません。
論理回路図について
あぁ…思い出すだけでしんどい。僕にとってはこいつがラスボスでした。
もう条件を追いかけていくと頭が混乱するのですよね…
論理回路図に苦手意識がある私でしたが、試験本番では全問正解することができました。
学習や解答のコツを書いていきます。
論理回路は一見複雑に見えますが、毎年のように登場するお決まりの回路というものがあります。それらを把握しておくことで問題を解答する上で考える箇所が減ります。
おそらく、一番有名なのは自己保持回路でしょうか。
自己保持回路は毎年頻出している回路であり、これを知っているだけで得点できる問題が出題されることも多いです。
あとはこんなのとかですね。
コンベアA起動指令の前にANDがあり、先ほど紹介したような自己保持回路が形成されていますね。
赤字で囲まれた部分はコンベアAを停止させるための回路です。
ORにたこ足のように4本入力がされていますが、これらのいずれかが入力されたらコンベアAは停止します。
この回路を用いて設備を停止をさせる方法も頻出します。
これらはあくまでも一例ですが、頻出するお決まり回路を多く把握しておくことで本試験での考える量を減らせます。
では、どのようにしてお決まり回路を把握すればよいのでしょうか。
お決まり回路を把握するため、そして論理回路に慣れるため、私はひたすら論理回路を読む練習をしました。
すみません、私は根性でゴリ押ししました。
その日の勉強が論理回路を眺めるだけという日もありました。
辛くてしんどいけど回路に書かれていることの意味が分かるまで読む。諦める。リトライする。
それを繰り返しているうちに論理回路のお決まりパターンが把握でき、次第に論理回路が読めるようになってきました。
結局はなんでも慣れです。(根性論)
空欄に回路を記入する問題で、近くの回路が大ヒントになっていることも。
(空欄の隣にある回路が解答と瓜二つの形だったこともあります。)
分からないと諦める前に視野を広く周りの回路を見てみましょう。
もしかしたら、ヒントが転がっているかもしれませんよ。
ラダー図について
私は仕事柄、制御盤関係のシーケンス回路を大量に読みます。
ラダー図はシーケンス回路と良く似ていますので、全くゼロから勉強した訳ではないと言えるかもしれません。
それでも、試験に出題されるラダー回路は日ごろ読んでいる回路とはクセが異なり、一筋縄ではいきませんでした。
シーケンス回路になじみがない方は、初心者向けの書籍や記事に目を通すことで急がば回れになるかもしれませんね。
ラダー図にもお決まりの回路があります。自己保持回路を例に紹介します。
シーケンス回路では初歩的な回路ですね。
- X000(a接点)オン→M001オン
- M001(a接点)オン→M001はオンし続ける(自己保持)
- M013(b接点)オンでM001はオフ
ラダー図の問題も自己保持回路を理解するだけで解ける問題が出題されたりします。
論理回路の問題同様、「お決まりの回路」を多く把握しておくことで本試験で考える量を減らせます。
論理回路図の問題と同様に、出題された回路の近くに解答のヒントがあったりします。
たとえば、以下はほんの1例ですが回路を見渡すと意外と解けるもんです。
コンベアC停止回路が空欄だらけになっており、これをどうにか埋めたい。だけど、解答のとっかかりすら無くどう書けばいいのだ…
そんな時は近くにヒントになりそうな回路が無いかを探してみましょう。
コンベアB停止の回路は解答用紙に全て書かれてます。
コンベアBとコンベアCは動作が異なるので、そのまま写したら当然不正解となりますが、コンベアC回路を書く上での参考になります。
そのほか、1号機の回路の空欄が2号機側は埋まっていたりと、この方法で解ける問題は少なくありません。
困ったら周囲の回路を見渡すことが重要です。
最後はいかに多く問題を解くかが物を言うと思われます。
過去問と同じ題材が出題されることはありますが、題材は同じでも問題は異なると思っていた方がいいと思われます。
つまり、過去問を解くことは有効ですが、結局はそれらを理解しておかなければ得点は難しいでしょう。
大変ですが時間をかけて回路を理解していくしかないかもしれませんね。
安全管理の問題について
安全管理の問題は講習会テキスト(過去問)を解いて勉強しました。
本試験においても過去問と類似した問題が出題され、全問解答することができました。
しかし、1級計装士の勉強中は「過去問で出題された以外のテーマが出題されたら終わるかも」と不安を感じていました。
計装士の過去問はたった4年分ほどしかありませんからね。
1級施工管理技士で安全管理を幅広く勉強された方は「あれやこれも出題される可能性ないのか?」と不安に感じる方も多いかもしれません。
(私は前年に1級電気通信施工管理技士の学習をしていたので不安を強く感じていました。)
なので、私は講習会テキストだけでなく1級電気施工管理技士と1級電気通信施工管理技士のテキストを引っ張り出し、安全管理の部分を復習しました。その結果、不安を消すことができました。
同じ内容でも施工管理技士のテキストの方が規定や数値を表にしたり、網羅的に書いてくれていたりと親切ですしね。1級施工管理技士のテキストを復習したのはそういう意味でも正解でした。
計装士の安全管理で最も頻出されるのは「特別教育・技能講習・免許を要する業務」でしょうか。
ここはほぼマストで抑えなければならないでしょう。
他には「作業主任者の専任と資格」などは毎回のように出題されています。
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